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今日はこのへんで

エンジニアです。雑記がメインですがたまにプログラミング、スタートアップなどについて書く予定です。

「脳には妙なクセがある」読んだ

ギークでタレントの池澤あやかさんの記事 をたまたま読んで、そこで触れられていた脳科学者の池谷裕二さんに興味を持ち、著作の一つである「脳には妙なクセがある」を読んだ。

脳には妙なクセがある (扶桑社新書)

脳には妙なクセがある (扶桑社新書)

ファストアンドスローなどと被る部分もありつつ、本の内容が面白かったので少し中身を紹介しようと思う。

もっとも効果的な勉強法とは?

外国語の単語を暗記させる実験で、より効果的な方法を検証したものがある。以下の4つのグループでどのグループが一番単語を暗記できるかを検証した。

  1. 単語を学習→すべてをテスト→すべてを再学習→すべてを再テスト
  2. 単語を学習→すべてをテスト→覚えていないものを再学習→すべてを再テスト
  3. 単語を学習→すべてをテスト→すべてを再学習→覚えていないものを再テスト
  4. 単語を学習→すべてをテスト→覚えていないものを再学習→覚えていないものを再テスト

結果、1と2のグループ(すべてを再テストしたグループ)のみが単語を長期的に記憶していた。脳は、情報を何度も学習するよりも、何度も使うことで記憶を定着させると言えるみたいだ。

自分もいま英単語を勉強しているので、活かしていきたいな。

脳に良い食べ物とは?

書籍では脳に良い食べ物も紹介されている。とても良かったのは、研究結果と一緒に紹介している点だ。以下に例をあげる。

  • オメガ3不飽和脂肪酸(DHAなど)
    • (ヒト)高齢者の認知機能低下の改善、ムード障害の治療
    • (動物)動物の脳損傷による認知機能低下の改善
    • (動物)アルツハイマー病モデル動物で認知力低下の改善
  • フラボノイド(ココア、緑茶、ワイン等に含まれる)
    • (ヒト)高齢者の認知機能の向上
    • (動物)運動と組み合わせることで認知機能の増強
  • ビタミンB類(豆類・豚肉)
    • (ヒト)ビタミンB6やB12 、葉酸の補充で、広範な年齢の女性で記憶力が向上
    • (動物)こりん欠乏による認知機能低下をビタミンB12が改善

他にも色々紹介されている。ここで大事なのは、テレビなどで認知機能を向上させると紹介されるDHAやフラボノイドなども、実験では”高齢者”の認知機能の改善、向上が確認できたに過ぎず、例えば20代男性である僕が進んで摂取したとしても、同様の効果が期待できるかどうかはわからない点だ。

筆者自身も、「エンターテイメントの一環として楽しんでいる」と書いているから、僕もそうしたいと思う。

自由意志は脳から生まれない?

脳を頭蓋の外部から磁気刺激すると、被験者が”自由意志”で左右どちらかを指し示す結果が、刺激しない場合とで大きく変わることがわかった。しかも、刺激したかどうかに関わらず、被験者は「自分の意志で選んだ」と思うということも判明した。

こうした研究の結果を受けて、筆者は、意志は脳から生まれるものではなく、周囲の環境と身体の状況で決まる、としている。僕らの普段の行動の大部分は、環境や刺激、普段の習慣の”反射”でしかないということらしい。また、自分自身のことは自分では決してわからない作りになっている、とも書いている。

そういうわけで、無意識の自分、自分も知りえない自分が”正しい反射”をしてくれるかは、本人が過去にどれほど良い経験をしてきているかに依存するという。良い経験を積むことで、良い癖ができ、それが良い反射・判断につながるので、人の成長は”反射力”を鍛えることが重要、だそうだ。

有名なマザーテレサの格言もあるけれど、脳科学の視点からも、良い習慣が良い結果を生み、良い人生を作るというような意見が生まれることはとても面白いと思う。良い経験ができるような環境や自分の普段の習慣にも気をつけたい。


最近、脳科学の研究はいろんなところで紹介されているけれど、どこまでが本当なのか、正直わからない部分も多いので、こうした研究者の著作はありがたいと思う。

今回読んだ本は面白いトピックをたくさんあげているような、いい意味で俗っぽい本だった。もう少し深く読みたい人は『単純な脳、複雑な「私」』なんかを読むのが良いかもしれない。

単純な脳、複雑な「私」 (ブルーバックス)

単純な脳、複雑な「私」 (ブルーバックス)