今日はこのへんで

プログラミングやプロダクト開発について。もしくはただの雑記。

がんばれ日本の自動車メーカー!自動運転の未来はすぐそこだ!(概要編)

CES2017が終わってからだいぶ経ってしまったけど、自動運転について自分でも以前軽く調べたので、簡単にアップデートしつつブログにも放流しておこうと思う。つい先日もWaymo (Google)がUberを訴えたり、Teslaが保険もオファーするようになったりと、自動運転の話題には事欠きませんね。

自動運転のレベルは6段階

まずは基本から。自動運転のレベルはLevel 0も含めると6段階ある。以前のNHTSAの水準は4段階だったのだけど、2016年9月からはSAE Internationalの水準に合わせるようになっている。(*1)

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automated_driving.pdf

一言で各レベルを解説すると、

  • Level 0: 自動化なし。常に運転者が運転。
  • Level 1: 運転者の補助。運転者が運転するが、加速、ブレーキ、ステアリングのいずれかをシステムが補助
  • Level 2: 部分的な自動化。加速、ブレーキ、ステアリングを組み合わせてシステムが単純な運転を補助
  • Level 3: 条件付き自動化。システムが運転の主体となるが、自動運転の条件に合わない場合は運転者に運転を移譲
  • Level 4: 高度な自動化。システムが運転の主体となり、一定の条件下ですべての運転をこなし、条件が変わってもシステムが運転を担う
  • Level 5: 完全な自動化。すべての場面でシステムが完全に運転を制御する。(運転手は必要なくなる)

現在はLevel 2程度の自動化(というより運転補助システム)が市場に出ており、高速道路の一車線をハンドルやアクセルなしで走るようなものが多い。

自動運転の利点・欠点

さて、それで、実際自動運転が普及するとどんなことになるんだろうか。調べた感じではVictoria Transport Policy Instituteのレポートによくまとまっている。

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avip.pdf

運転者のストレスを低減し、安全性を高め、燃費効率を上げて排出量を抑える、という効果などが言及されている一方で、車のメンテナンスコストの増加や無人運転車によるテロの可能性、車の利用の増加による様々なコスト(駐車、事故、大気汚染)の増加などが指摘されている。

利点のなかで特に面白いのは、カーシェアリングが増加するという指摘かな、と個人的には思う。実際、多くの自動車メーカーは、カーシェアリングサービスとの事業提携を進めており、自動化された後の未来も見据えている。

自動運転はいつごろ普及しそうなのか

自動車メーカーによって多少異なるものの、2020年ないし2021年にLevel 3かLevel 4の市場投入が目標というのがおおよその見解だと思う。

日本政府のロードマップ

日本では、日本の自動車メーカーを支援するため、政府も自動運転の制度整備に積極的だ。2016年に発表された官民ITS構想・ロードマップによれば、2020年ごろにLevel 3の市場化、2021年以降にLevel 4の市場化という構想であることがわかる。

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余談なんだけど、日本政府の最近の動きを見ていると、一般的な自動運転技術よりも、過疎地の移動手段としての、より公共性の高い自動運転システムの実現に力をいれている気がする。メーカーとの動きの違いも出ていて面白い。

官民ITS構想・ロードマップ2016

自動運転についての普及予測

McKinseyが出している自動運転についての普及予測のレポートによると、自動運転が上手く市場に浸透したとして、2030年にはLevel3の自動運転技術が50%、Level4は15%ほど普及するという見通しだという。いま(ほぼ)0%であることを考えると、相当早く普及する見通しだと言える。

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automotive_revolution_perspective_towards_2030.pdf

普及の足かせは条約と法律

いま自動運転技術の開発・普及の足かせとなっているのは、国連条約や道路交通法といった法制度になる。

車両の自動制御や自動操舵を禁ずる国際基準

例えば、日本は1949年にジュネーブ国際道路交通条約に批准しており、運転者は常に車両の速度を制御しなければならない、などの制約がある。(*2) 他にも、国連では自動操舵の国際基準(R79)が定められており、現在10km/h以上の速度での自動操舵が禁止されている。(*3)

こうした国際条約は、国際的なフォーラムや作業部会で議論され、早期の改正を目指して動いている。

アメリカ連邦政府の定める自動車基準

アメリカでは、上記の国際条約の問題は発生しないが、代わりに連邦政府の定める自動車基準(FMVSS)に準拠する必要がある。

また、アメリカでは、州法に基いて、認可された事業者のみが自動運転の実証実験を行うことができる。この認可を与えている州も限られており、シリコンバレーのあるカリフォルニア州、デトロイトのあるミシガン州などが特に人気が高い。このせいもあって自動車メーカーの研究所はシリコンバレーに集まる傾向にある。

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Autonomous car - Wikipedia

自動運転の開発は、機械学習のために公道での実データを集める必要がある性質上、これらの規制が緩和され、様々な状況下でのデータが集まるようにならなければ、開発・発展は難しいと言える。


と、ここまでで続きは次回。今回は業界の人には耳タコな話ばかりだったけど、後編はもう少し技術にフォーカスしたいと思う。

2020年、人工知能は車を運転するのか 〜自動運転の現在・過去・未来〜

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